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主な修復メンテナンス実績

2000年 長崎平和祈念像

原爆投下から10年。恒久平和の願いを込めて、昭和3089日の建立以来44年を経過した長崎平和祈念像。
平成9年に老朽度調査を行った結果、経年劣化による損傷が激しいことが判りました。
特に腕部の老朽と損傷が著しく、このままでは落下の危険性もあることから、全面修復されることになりました。

01.銅像修理修復「腕ききの職人」延べ1,200人を長崎へ派遣

修復は、長崎平和祈念像建立の際、制作者である北村西望氏(長崎県出身)の助手として建立に深く関わった、富永直樹氏総指揮の下で行われました。
竹中銅器(当時、竹中製作所)では延べ1,200人を超える人員の投入となり、昭和の大修復として、竹中製作所だけでなく、高岡銅器の技術の粋を結集した取り組みとなりました。

02.合計104パーツで構成された長崎平和祈念像銅像

平和祈念像は、バラしてみると、合計104のパーツで構成されていました。
建立当時、個々のパーツは様々な工場で、別々に製作され、また材質が均等でなかったため、溶接作業は困難を極めました。

03.10色もの調合 建立当時の鮮やかな青銅色にて銅像再現

着色は、建立当時の鮮やかな青銅色を再現するために、10種類の色を調合し、準備しています。
当時、現場の指揮にあたった竹中製作所 長慶取締役(当時)によれば、先人の技には驚かされることが多かったと記しています。

04.接続面ボルト穴9割結合 巨大銅像驚くべき精度

たとえば、銅像を構成する青銅ブロックをボルトでつなぎ合わせる技術では、接続面のボルト穴はパーツごとに、別々(の工場)に開けられたはずなのに、9割がピタリと重なり、「今にして思えば、(これだけの巨大な銅像としては)信じられないくらいの精度だった」と述懐しています。

修復データ

修復従事者 約1,200名
修復総費用 約7千6百万円
※修復懇話会の報告金額:長崎新聞掲載より
現場指揮  長慶太刀男(故人)
※修復当時、竹中製作所 取締役部長
総指揮監修 富永直樹(故人)

05.巨大銅像 長崎平和祈念像の大修復、多数の尽力により無事完了

こうして長崎平和祈念像の大修復は、多くの人の尽力によって無事に完了しました。
銅像や銅器など多くの銅製品を扱う会社として、竹中銅器(竹中製作所)がこのようなプロジェクトを受託できたのは、名誉なことであり、また、高岡銅器の技術を内外に広く知っていただけるという意味でも、とても有意義なことであったと思います。
あらためて、今回の改修に参画いただいた関係者の皆様方に御礼を申し上げます。 改修を終えた長崎市は、平和祈念像の裏側に修復の経過を記した銘板を取付け、台座内部には修復工事の設計図をはじめ、関係資料を保存することにしました。

06.高岡銅器技術の結集 長崎平和祈念像 修復を振り返って